三線の型は、棹の形状によって決まります。名称は琉球王朝時代の名工の名前からつけられており、代表的な型は七つあります。現在制作されている三線のほとんどが、この型をもとにつくられているといえます。三線ショップ島風では、真壁型を中心に様々な型の三線をご用意しております。
主な三線の型七分類 (時代が古いものから)「ふぇーばらー」ともいわれます。三線の型の中でも一番古い型です。南風原型をひとまわり小さくした感じのものが、久葉の骨型です。拝領南風原型と翁長親雲上型の二つに分かれます。
棹 | 細め |
天 | 曲がり小・扁平 |
野坂 | 曲がり大 |
野丸 | 半円形 |
鳩胸 | 野丸との区別がほとんどない |
初代三弦匠主取(三線専門の役職)に任命された知念の作で、天の中央と鳩胸に稜線があるのが特徴です。平仲知念型も同じ系統の型になります。
棹 | 太い |
天 | 曲がり大・中央に稜線 天面が広い |
野坂 | 短い |
野丸 | 丸みを帯びている |
鳩胸 | 中央に稜線 |
久場春殿の作で、南風原型の系統をくんでいます。
七つの型の中でももっとも棹が太く大型なのが特徴です。棹の下部にいろいろな工夫が施されているのもこの型の特徴で、胴内の軸には三角形の穴があり、両側には碁盤のヘソのような刻みがあります。また、芯の付け根に段が刻まれているものもあり、これは護身用に用いられたという逸話もあります。
棹 | 上部から下部へいくほど太くなる |
天 | 曲がり小 天全体が薄手 |
野坂 | 曲がり小 |
野丸 | 鳩胸との区別がほとんどない |
横からみたときに、クバ(ビロウ)の葉柄に似ているためにこの名前がつけられました。作者は久場春殿型と同じですが、久場春殿とは対照的に七つの型のうちでもっとも棹が細く、南風原型をひとまわり小さくしたような感じです。
棹 | もっとも細い |
天 | ー |
野坂 | 曲がり小 |
野丸 | 鳩胸との区別がほとんどない |
名工 真壁里之子(まかびさとぬし)の作です。三線の型の中でも均整がとれた形から、もっとも優美な型と言われています。
「開鐘(ケージョー)」と呼ばれる名器は真壁型に限られます。大変人気のある型のため、現在でも多く製作されています。
歴代琉球国王に愛され、「開鐘の中の開鐘」と称えられた「盛嶋開鐘(県指定有形文化財)」も真壁型で、沖縄県立博物館に所蔵されています。
また、宇根親雲上型もこの型に属します。
当店でも、真壁型の三線を多数取り扱っております。
» 真壁型の三線
棹 | 細め |
天 | 糸蔵が短い 中弦カラクイのあたりから曲がる |
野坂 | ー |
野丸 | ー |
知念大工型の系統に属する、平仲の作です。知念大工より棹が細く天が大きめです。稜線があるのは同じ特徴です。
石垣市立八重山博物館に、喜舎場英整氏が愛用していたといわれる平仲知念型三線が所蔵されています。
棹 | 細め |
天 | 曲がり大 天に稜線がある 中央が盛り上がり丸みを帯びている |
野坂 | 曲がり小 |
野丸 | 鳩胸に丸みがない |
作は、名工 真壁里之子と同時代の人と言われます。「ゆなー」とも呼ばれ、琉球古典音楽の演奏家がこの型を好む傾向にあります。糸蔵が長めで、鳩胸が大きく、月の輪と棹の野面が直角になっているのがこの型の特徴です。
また、この型は次の四つの型に分かれます。
・小与那城型
・江戸与那城型(芯に大小3つの穴がある)
・佐久川与那城型
・鴨口与那城型
棹 | 太め |
天 | 糸蔵の先から曲がる 範(ムディ)穴はやや下方 |
野坂 | 曲がり小 |
野丸 | 鳩胸が大 |
各型の読み方は、下記文献に倣いました。
<参考文献>
1988年 沖縄県立博物館特別展 『三線名器100挺展』図録
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